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【出張授業】樹木から木材へ、木材から木製品へ


2022年に新たに開校した 東京都立立川国際中等教育学校附属小学校 様 にて、出張授業をさせていただきました。
諸事情で伐採された校庭のケヤキ・サクラ・イチョウを活用し、定規を製作させていただいたことから始まりました。

【関連ページ】既存樹利用-樹と共に想いをつなぐ-

△校庭の既存樹からつくられた定規

こちらの定規は在校生の1・2年生に配布され、ある児童は夏休みの作文に取り上げてくれるなど、木にとても興味を持っていただいたとのこと。嬉しいですね!

これはよい機会、ということで学校様よりお声掛けいただき、出張授業をさせていただくことに!
授業のスケジュールを調整していただき、1・2年生の各学年で1時間単位(45分)ずつ、体育館での1学年一斉授業という形式で決定しました。

 

テーマはズバリ!「樹から定規ができるまで」

△実際に生えていたときのイチョウ

「45分という限られた時間で伝えたいことは何か?」

森林のはたらき、林業の役割、人間と木材の歴史、木材の種類、木工の楽しさ…。考え始めると、伝えたいことがたくさん出てきます。

そんな中、私たちは「身の回りの木製品は全て、生きていた樹木から作られているものだ」ということを伝えることに決めました。
だからこの定規も、他の木製品も、大切に扱ってほしい。そう思いました。
これは木工を生業にしている私たちにとっても、忘れてはいけない大切なことです。

樹木から木材へ、木材から木製品へ。
この工程を全て見せてあげることで伝えられるのではと考え、プログラムをつくりました。
今回は、みなさんが持っている定規の製造工程をメインにお話しすることにしました。

 

手に定規を握りしめながら!ワクワクの授業レポート

2023年9月末、待ちに待った授業の日がやってきました。
ただ授業を聞いてもらうのではなく、実際に定規を持ちながら聞いてもらったほうが理解しやすいと思い、定規の持参を事前にお願いしました。当日はみなさん定規を手に持ちながら授業を聞いてくれました。

 

スライドではまず、ケヤキ・サクラ・イチョウという樹木の特徴をお話しました。
「サクラはこのようなピンク色の花を付けますが、みなさんお花見をしたことはありますか?」と尋ねると、たくさんの子たちが「したことある!」と答えてくれました。

 

△みんなで定規を見て確認

続いて伐採・製材・乾燥・定規の製作工程を動画で見てもらいました。正直、少し分かりづらい部分もあったかもしれません。
でも手元にある定規を見ながら、一生懸命に理解しようとしてくれている姿勢に感心しました。

そして最後、余裕をもって確保していた15分の質問タイム。ところが…

「全部でどのくらいの時間がかかったの?」
「イチョウとシーラカンスはどっちの方が古いの?」(イチョウは”生きた化石”と紹介したことに対して)
「木材を温めて乾燥するとき、木材は燃えてしまわないの?」
「どうして木を板にするの?」
などなど、次々と手が挙がり、15分では全く時間が足りないほどでした。

 

質問が多かったことも嬉しかったのですが、何より質問内容が的確で、きちんと集中して授業を聞いてくれたことが分かり、とても嬉しかったです。

 

見る触る嗅ぐ!木を感じることの大切さ

△ヒノキの製材を触る子どもたち

また、木材は五感で感じてこそ!ということで、できる限り実物を見せるため、丸太の形が分かるヒノキの製材や、乾燥を終えた実際の既存樹(ケヤキ・サクラ・イチョウ)の板を持っていきました。

 

△サクラの匂いを嗅ぐ子どもたち

近づいて観察したり、触ったり、匂いを嗅いだりしながら、
「ザラザラしてる!」
「全部違う匂いがする!」
「この端っこの黒いの(樹皮)はなんだろう?」
「イチョウは白いんだ!」

などなど、一人ひとり色々な視点から、木を感じてくれている様子でした。

 


そしてなんと後日、2年生のみなさんが一人ずつ感想を書いて送ってくれました!

他にも、知らなかったことに対する驚きや、定規を大切にしてくれていることなど、こどもたちの素直な想いに胸がいっぱいになりました。
このような機会を与えていただいたことに感謝いたします。

 


帝国器材株式会社では、このような木育出張授業や木育ワークショップ等についてもご相談承ります。
とくに学校における出張授業・ワークショップでは、学校家具製造・学校内装木質化を主業としている私たちだからこそできるプログラムを心がけています。

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