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【災害復興】学びの芽を地域で育てる


「このまちに住み続けたい」という想いは、災害復興の大きな原動力となります。
わたしたちは、国産材・地域材を活用した学校づくりを通じて、災害からの復興とまちづくりを支える取り組みを続けてきました。

木は、数ある建材の中でも数少ない「産地を指定できる」素材です。
特に、地元の森から伐り出した木を使った学校は、その土地への誇りや愛着を育て、人と地域をつなぐ力を持っています。

木を通じて地域とともに歩んだ 3 つの学校の事例をご紹介します。


岩手県陸前高田市 市立気仙小学校の事例

気仙小学校は、平成23年3月の東日本大震災によって甚大な被害を受けた気仙町において、復興の象徴となった学校です。
旧校舎は津波の被害により校舎3階まで浸水したものの、全校児童92人は全員無事でした。校舎はしばらく被災者の避難所として利用され、多くの人々の命を守りました。

そんな奇跡の学校が地域の復興と共に生まれ変わり、同じく気仙町内の長部小学校と統合。新生・気仙小学校として平成31年1月に落成を迎えました。

弊社は気仙小学校に、地域材である気仙杉を使用した家具を納めさせていただきました。

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岩手県大船渡市 市立赤崎小学校の事例

赤崎小学校も東日本大震災による被害を受け、校舎は全壊。
大船渡市内の蛸ノ浦小学校と統合し、平成29年4月に新たな学びの場として再出発を果たしました。

また今年2025年には、大船渡市で発生した山林火災により、赤崎小学校・綾里小学校の両校が一時休校を余儀なくされました。その後、赤崎小学校の避難指示が先に解除されたことで、綾里小学校の児童を受け入れ、校舎を共有する形で授業を再開。
震災からの復興を遂げた赤崎小学校が、他校を支える存在として活躍しました。

弊社はこの赤崎小学校に、地域材である赤松を使用した家具を納品させていただきました。

▶岩手県大船渡市 市立赤崎小学校の写真はこちら

 


北海道勇払郡安平町 町立早来学園の事例

2018年9月、北海道胆振東部地震の甚大な被害を機に、被害の大きかった早来中学校と老朽化の進む 3 つの小学校(早来小、安平小、遠浅小)を統合。1〜9 年生が学ぶ義務教育学校 早来学園 が 2020 年に誕生しました。

早来学園のコンセプトは「自分が世界と出会う場所」。教育委員会・児童生徒・保護者・住民と、地域一体となって学校づくりに取り組みました。
図書室をはじめ、家庭科室・美術室・体育館・音楽室などが積極的に地域利用されており、こどもたちが自然と地域・社会と交わる場所になっています。

そんな早来学園に、国産材のぬくもりあふれる家具を納めさせていただきました。

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都市部における木材活用と復興支援の可能性

私たちは、姉妹都市・友好都市など自治体間交流のある山村地域から産出された木材を「交流都市材」と名付け、都市部の学校づくりに使用する取り組みをしてきました。


▶KINOCCO PROJECT BOOK vol.2

東京都足立区や渋谷区が策定した「木材利用推進方針」では、東日本大震災の被災地の木材の利用が推奨されています。これは「被災地の木を使うことで、復興を応援する」という新しい支援のかたちです。

遠く離れた地域でも、木を通して被災地とつながり、災害復興やまちづくりに貢献できる。木材は、そんな“つながりの素材”としても大きな可能性を秘めています。

このような取り組みが全国に広がり、それぞれの地域が互いに支え合い・成長しあう社会の実現を願っています。