- 事例特集
【出張授業】森から生まれた人類と木の絆
全国初の公立小中高一貫校として開校した 東京都立 立川国際中等教育学校附属小学校 様。
昨年は小学1・2年生を対象に「樹木から木材へ、木材から木製品へ」というテーマで出張授業をさせていただきました。
今年もお声掛けいただき、新たに入学された1年生には昨年と同じプログラム、進級された2・3年生には昨年とは異なるプログラムで出張授業をさせていただきました!
こちらでは2・3年生向けに新たに行った出張授業のレポートをお伝えします。
1年生に行った出張授業の詳細は、前回の記事をご覧ください。
テーマは「森から生まれた人類と木の絆」
わたしたち人類は森林から生まれたことは知っていますか?
人類と同じ祖先をもつゴリラやチンパンジー、オランウータンは今も森林で生息していますが、同じように昔の人類も樹上で生活していました。
実は人間の身体は、樹上生活に適した特徴をもっています。例えば手の形は、枝をしっかりと掴めるよう、親指が他の指と向かい合った形になっています。
やがて人類は地上におりて森林(樹上)での生活をやめますが、人類にとって木材は、道具や燃料として無くてはならない存在でした。もちろん今も、身の回りに木でできているものはたくさんありますよね!
今回の出張授業では、このような「森から生まれた人類と木の絆」を伝えることをテーマにしました。
座学だけではなく、木と人間のつながりを感じ、木を使う楽しさを体験してもらうための簡単なワークショップも行うことにしました!
自分の手を眺めながら!驚きの授業レポート
ワークショップの前に、人類の進化と木の関係を簡単に説明しました。
手の形の話では、みなさん確かめるように自分の手を眺めながら、集中してお話を聞いてくれました。
オランウータンやチンパンジーが木の道具を使ったり、枝を折って樹の上でベッドを作る話をすると、「えー!」「すごい!!」など驚きの声があがりました。
森林・木材と人間が切っても切り離せない、強い絆で結ばれていることが理解できたところで、いよいよワークショップに突入です!
木を握って、削る!キーホルダーづくり
ワークショップでは、校庭の樹で定規を製作した際に出た棒状の端材をつかって、キーホルダー作りを行いました。
まだノコギリや玄翁(とんかち)、彫刻刀の使い方を習っていない小学2・3年生でも安全に作業できるよう、ひたすら紙ヤスリで削ってもらう体験にしました。
まずは好きな木の棒を選ぶ作業!
ケヤキ・サクラ・イチョウの3種類があり、それぞれ端材なので形や木目も全部違います。
もちろん、こちらで選んだ端材をひとりずつ渡しておくこともできましたが、
・「木なら何でも良い」ではなく「この木が良い」と思うこと
・自分のこだわりを持って木を選ぶ、この楽しさを体験すること
このような木との関わり方が大切と考え、木を選ぶ作業をしてもらいました。
そしてついに・・・!
削って削って、ひたすら削る!!!!!
かつて機械もなく金属も使えなかった時代、昔の人類が石や岩を使って木を削り、道具を作る姿を想像しながら、5分間ひたすら削ってもらいました。
もちろん削る形は自由!
途中で棒を握りながら、握り心地や形を確かめ、自分の好きな形になるように削ってもらいました。
握り心地の良いように丸い棒を目指す子や、おもしろい見た目の形を目指している子も。
私たちスタッフも事前にリハーサルを行いましたが、5分間ずっと削り続けるのは結構疲れます。
さらに今回の樹種のイチョウは比較的削りやすいですが、ケヤキとサクラは硬めの木なので削りにくいのです。
こどもたちが途中で疲れて飽きてしまわないか心配でしたが、削る作業はお祭りのように大盛り上がり!
ほとんど手を止めることなく、作業終了のカウントダウンでは多くのこどもたちが「えー!もう終わり?!」と言ってくれるほど熱中して削ってくれました。
(ちなみに、授業参観に来られていた保護者の方々も一緒に参加いただき、なかには「こどもには負けられない!」と意気込むお父さんの姿も!)
できあがった棒にオイルを塗って、金具をつけて・・・
とっても素敵な、想いのこもったキーホルダーができました!
ランドセルなど、それぞれ好きな場所に付けて使っていただいているそうです。(良かった!!)
自分で選んだり削ったり、手をかけた分だけ愛着が湧くものですよね。普段ものづくりをしているわたしたちは、気持ちがとっても良く分かります。
自分でつくること。生み出すこと。
その楽しさと喜びを知って、木や森林・自然を大切に想う気持ちをもってくれれば嬉しいです。
帝国器材株式会社では、このような木育出張授業や木育ワークショップ等についてもご相談承ります。
とくに学校における出張授業・ワークショップでは、学校家具製造・学校内装木質化を主業としている私たちだからこそできるプログラムを心がけています。
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