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確かな感覚を頼りに、わくわくさせる提案を。(設計部 BIM推進室・福井)


こんにちは、社員インタビュー班より、第9弾のお届けです! 
今回はBIMデータ・3DCGの作成を担う、設計部 BIM推進室 福井さん にインタビューを行いました。


 

—はじめに、現在の業務内容を教えてください。

通常の家具・建具の図面作図も行っていますが、主な業務としてはBIMデータやプレゼン用の3DCGの作成と、営業活動に用いる自治体や設計事務所向けの提案書の作成を行っています。
図面だけでは分かりづらいというお客様のために3DCGを作成する機会が増えまたBIM( Building Information Modeling )※1 を活用する建設事業の増加が見込まれることから、2019年にBIM推進室という部署がつくられました。
 BIM※1 :建築物の3次元モデルを生成し、設計・施工に関わるあらゆる情報を一括管理できるシステム

当初3DCGは外部に委託していましたが、やり取りが大変で、社内業務化できるようにソフトを探して情報を集めるところから始めました。調べてみると、それほど時間を掛けずに習得できそうだと分かり、自分で作成するようになりました。
現在ではライノセラスというソフトを使って3Dデータの作成を行っています。

—BIM推進室で活躍されている福井さんですが、入社前やこれまでの帝国器材での経歴を教えてください。

父が鋳物作りに必要となる木型を作る職人で、木材の3次元加工の世界に幼いころから触れていたことが影響して、NCルータ ※2を動かす仕事がしたいと思い帝国器材に入社しました。
最初は工場勤務でNCのプログラムを作って機械を動かす作業をしており、それと同時に当時は社内でISO9001の取得を目指していたころで、工場内業務の文章化などの作業も行っていました。
 NCルータ※2:入力したプログラムに基づいて、自動的に旋削や穴あけなどの加工ができる工作機械。木工だけでなく樹脂や金属加工などにも用いられる。

また当時はオフコン※3と呼ばれるもので社内のシステムを運用していましたが、パソコンの普及に伴ってデータの移行や新しいシステムの構築が必要でした。
通常であれば外部に委託して作業をしてもらうはずでしたが、何千万円というコストが掛かるということで、やはり社内でできないかということになり、私が作業することになりました。もちろん素人なので、いろいろなソフトを駆使しながら2年かけてシステムを作りましたね…(笑)
 オフコン※3:オフィスコンピュータの略。1960年代から1990年代初頭まで使われた事務処理に特化したコンピュータ。



しばらくは製造部門にいながらパソコン関係の仕事を並行してやっていましたが、企画部が創設されてそこに所属するようになりました。
企画部では品質保証に関わる仕事や社内ネットワークの管理、またホームページの管理など、幅広い業務をこなしていました。
デジカメが普及し始めたころには、それまでプロのカメラマンに頼んでいた施工写真を自分で撮るようになりました。撮った写真を使って納入事例集を作りはじめたのもこの頃です。

施設家具総合カタログの作成にも携わり、その中で3DCGの作成にかかわるようになりました。提案書を作りながら、図面作図にも着手しはじめ、営業部の営業活動のサポートと設計提案を行う立場でした。

とにかく新しいことを始める機会が多かったので、たくさん失敗しました(笑)いろいろなことを試したり、知識のある人からアドバイスをもらったりしながら、結局何とかなったので、今では失敗してもどうにかなると前向きな考え方ができるようになりました。

—業務上心がけていることはありますか?

当然ですが、丁寧に仕事をすることです。設計業務であれば、施主さんや設計事務所の方がどういった考えで計画しているのか、使う人にとってどうすれば使い勝手の良いものを提供できるのかを常に考えています。

それからなるべく試作や検証は自分でやるようにしています。自分が想像していたものがその通り作れるのかどうか、やってみないとわからないので、実際に体感してみることが大事だと思いますし、そうして得られた感覚が丁寧な仕事につながると思っています。

自分の中でテーマをもって仕事をするのも大事ですね。いまの私のテーマは大村はまさんの詩に出てくる「学びひたりて」という言葉です。「学び浸る」ことのできる空間とはどういう空間だろうか、必要な要素は何かを考えています。もちろんお客様の要望ありきですが、自分の中で実現したいと思うものがあると、伝えたい部分が明確になり、芯の通った提案ができる と思っています。

—現在の業務や帝国器材で仕事をすることのやりがいや魅力はなんですか?

CGも提案書もお客様の気分を盛り上げるツールになると思っています。「かっこいい!絶対にこれが作りたい!」というリアクションがもらえるとうれしいですね。お客様の抱えていそうな課題が何なのか、一生懸命調べて考えて、それを解消できる提案が出来た時には達成感があります。



△実際に納めた内装空間を基に作成した3DCG

それからこれは偶然ですが、なんと私が設計に携わった高校に息子が入学したんです。
家具材料にこだわりがあったり、防球格子戸は特殊な形状だったため強度試験を行ったり、かなり注力した案件だったこともあってとても印象に残っている学校でした。公共建築、特に学校関係の仕事を長年続けてきた帝国器材だからこそ得られた経験だと思います。

—今後の目標ややりたいことはなんですか?

今考えているのは、作図業務の効率化です。3Dデータを使って、家具の形状や寸法を簡単に変更できるような仕組みを整えたいと思っています。
ARVRといった技術も気になっていますね。どういった提案に使えるかまだまだわからないところが多いですが、木育などの教材として活用出来たら面白かなと思っています。

様々な技術が次から次へと出てくる時代なので、今後の社会や業界の動向を見ながら活用方法を検討していきたいと思います。


—最後に休日の過ごし方を教えてください。

時間があれば美術館や図書館に行っています。こどもは3人いて2人はまだ小学生なので、日曜日は勉強を見たりしています。
それから料理にはまっていて、日曜日は必ず家族に夕食を振舞うようにしています。2番目の子が料理をするのが好きなので、一緒に作ることも多いですね。
最初は動画やレシピを見ながら作っていましたが、最近はレシピ帳も自作していて、紙面デザインから考えたり、イラストを入れてみたり、勉強ついでに英語で文章を書いたりしています。試しにSNSに投稿したら結構評判が良かったですね(笑)




△自作のレシピ帳。プライベートでも“魅せる”ことを意識している福井さんの人柄が表れています。


インタビュー後記

ここでは書ききれないほど様々な業務を経験してきた福井さんのお話は、ここ20数年の帝国器材の歴史とも言えるものでした。忙しい中でもお客様の考えや立場に寄り添う姿勢は、まさに社員の鑑。貴重なお話を頂き、ありがとうございました!

インタビュアー:鷲尾・清水